オンキョーが2期連続の債務超過で上場廃止になると報じられている。
オンキヨー、7月末に上場廃止へ 債務超過解消できず: 日本経済新聞
日本のエレクトロニクス・メーカーはどこも苦境に立たされているが、それも諸行無常、世の流れということか。
自分自身のオーディオ機器との関わりを思い返すと、70~80年代は17インチ幅のコンポーネント機器を少しずつ買い揃えて楽しんでいた。TRIOのアンプ、チューナー、PIONEERのプレーヤー、DIATONEのスピーカー、SONYのCDドライブ・・・を思い出す。友人にはONKYOファンもいた。
その後、90年代にはいってデジタル化、小型化の流れの中で、大型のコンポネント機器の魅力が薄れ、見切りをつけ処分することを決めたとき、MD、CDドライブ、チューナーも組み込んだONKYOのミニコンポ(Intec 155A)が目を引きそれを購入した。これは、2001~2005年にアメリカで生活したときにも持って行った。
2001年当時アメリカではMDはまったく相手にされておらず不思議に思ったのだがすぐに理由が分かった。ほどなくMP3プレーヤが出始め、2003年にはiTune Storeがスタートし、どんどん音楽を楽しむ形態が変化していったのである。
日本でもMDが廃れてしまったのと、CDドライブが壊れたことあり、このミニコンポはスピーカーだけを残して廃棄した。2010年頃だと思う。
そうして残ったスピーカーだけが今は手元にある。
私自身の最近の音楽の楽しみ方はというと、オーディオ ストリーミングサービスかRaspberry Pi上の音楽サーバーに置いているデジタル・ファイルを卓上の7.5cmのアクティブ・スピーカーで聴くという形がメインになっている。今後はディスクを購入することもなくなりそうだし、それを大型のオーディオ機器で聴くようなことはもうしないと思う。ある水準以上の品質であれば手軽で安い方が好ましく、拘りぬいたいい音はそれほど必要ではないのである。世の中も同じような傾向だと思う。そうしたなかでは、オーディオ専業メーカーとしての衰退はやむなしということなのだろう。
色んなことを思い出しながら、今日は、懐古趣味で作った真空管アンプと残されたオンキョーのパッシブ・スピーカで、7、80年代の音楽を流している。